これまで働くといえば「会社員」ほぼ一択で、それが当たり前だと思っていました。
しかし最近は「フリーランス」「独立」「副業」が選択肢の一つとなりつつあります。
会社を辞めて15年超。現在もスキンケアカウンセラーとして活動している経験が、独立や副業などに興味がある方や実際に始めるか迷っている方にとって何かの参考になるのではないかと思いました。
前半は「会社員とフリーランスの違いや特徴、メリット・デメリット」と私の経験を交えてまとめています。
これから一歩を踏み出す際の判断材料の一つとなればと思います。
目次
会社員とフリーランスの違い
会社員からフリーランスになって最初の頃は戸惑いがたくさんありました。
今までのように手取り足取り教えてくれる人はいなかったからです。
当たり前のことではありますが、フリーランスは自分から行動しなければ何事も動きません。
これまでいかに受け身で過ごしてきたのか…
与えられ、指示され、準備して貰っていたことに気づかず過ごしていたと痛感しました。
会社員の時は職場にいけば何かしらの仕事がありましたし、入社したばかりでもわからないことは先輩や上司に相談すれば丁寧に教えてくれました。
高校生の頃からやっていたアルバイトと比べてもそれほどギャップなく仕事の知識や技術が身に付く環境が整えられていました。
大まかな違いは
会社員 → 決められていることが多いけど役割分担がされている
フリーランス → 自由は多いけど全部自分
どちらもメリットにもデメリットにもなるので、全く異なる働き方でどちらが良いとか悪いとかではなく「どのように働きたいか」「何を優先するか」個々の価値観によると理解しています。
それによってどちらか選択したり、両方をバランス良く平行するというのがこれからの働き方なのかなと思っています。
最近はフリーランスや独立する働き方を後押しするような動きも増えてきているので、将来は働き方も多様性が当たり前になるかも知れないと期待しています。
会社員とフリーランスの違いから見た特徴
会社員の一番の魅力といえばやはり「安心と保障」。
会社に行けばお給料は発生しますし、よっぽどの事がなければ解雇されることはないです。
自由はなくても安心と保障、お金を借りる(ローン等)時などの信用の違いは比較になりません!
一方フリーランスは不安定で保障は薄いです。たとえ仕事が安定してきても、もし倒れてしまったら休業保障も有給すらありません。
また会社は社員を育成するという役割も担っているので、仕事を覚えるまでの間もお給料を貰いながら学べますがフリーランスではそうはいきません。いくら熱心に取り組んでもそれが収益に繋がる業務でなければ無給です。
ただフリーランスの方が仕事を楽しんだり、好きで仕事をしている割合が多いように思います。
私の友人・知人も会社員として働いている人は「今の仕事が好きでやっている」というよりは「生活とかお金のために働いている」という理由が多く、仕事が楽しいと感じている人は少ないです。
個人的な感覚としてはフリーランスは「最初から仕事が楽しい」というよりは「楽しい仕事の仕方が身に付く」というのが近いです。
会社員は役割分担のできた合理的な組織の一員
- 役割分担がしっかりしているので範囲が決まっていて業務に集中しやすい。
- 自由度は低いが、ルールが多い事でたくさんの人が効率的に仕事を進められる。
- 給料面や休日、社会保障、疾病時など保障や会社負担が多く安心。
- 最終的な責任は会社が持ってくれる。
- 社会的信用が高い。
- 会社の信用やネームバリューがある。
- 自分で決められる範囲が少ない、規則に縛られることが多い
- 評価が上席に委ねられることが多い、評価基準が曖昧なことが多い
- 業務目的や指針の共有が難しく、やりがいを感じにくい …等々
会社員のメリットは何といってもお給料が安定的に供給されることだと思います。
多少の増減があったり、ボーナスが削られたりしても全く出ないということは滅多にありません。
ただ会社員だと右肩上がりに昇給していく人はごく一部で、期待するほどお給料が上がらないというのが現状でした。
今やっている事がどこに向かって、どのように貢献してるかもわからない。でもやることに追われて忙しい毎日というのでは、心身ともに疲れて何を目標に頑張ればいいのかわからないと感じるのも仕方なかったと思います。
その代わりたとえ体調不良で急に休んでも自分に代わって仕事をしてくれる人はいますし、自分の担当外のことは各担当がやってくれているので把握していなくても仕事は回っていました。
そしてフリーランスになってから個人的に一番感じた会社員のメリットは「会社の冠がつく」ということです。
会社が今まで築いてきた信用とネームバリューが入社したとたんに上乗せされます。
会社員だと必ず「○○株式会社のぱんダリオンです。」というように社名をつけて名乗ります。これはかなり大きな力と信用があると気づきます。
そこそこ大きな企業に勤めていた時は大手の取引先に出向いたり、電話すればそれなりの対応をしてもらえるのでそれが普通だと勘違いしていました。
しかしフリーランスになったとたんに「スキンケアカウンセラーのぱんダリオンです。」といっても「誰だよ?」という感じで、最初は門前払いされることがほとんどです。
運よく話を聞いてもらえても信用を得るまでにはかなりの時間を要しますし、警戒されているのを感じます。
自分個人の信用が「会社の冠がついた格付けAAA」から一気に「C」に降格した感じです。
「最初は信用されなくて当たり前」「信用は重ねていくもの」と割り切った今は信用を重ねていく術を身につけられていると自負していますが、最初この差はかなりショックで現実を突きつけられた瞬間でした。
フリーランスはどんなに規模が小さくても経営者
フリーランスになるとボリュームの違いはあればこそ、自分で把握する範囲が広くなります。
- 会社にするのか、一人でやるのか、スタッフを雇用するのか、外注するのか
- 何を仕事にするのか、だれを対象にするのか
- どのように顧客や取引先を得るのか
- 仕入れはどうするか
- 資金繰りはどうするか
- 仕事の場所
- 経理、税金や関係法規、社会保険等の知識や実務
- 自分の給料はどうするか …等々
今まで知らなくても問題なかったことを広く対処する必要が出てきました。
ですので必然的に色々な知識と決断力がついてきます。
それが大変なことでもあり、逆に魅力でもあります。
もちろん最初は知識もないので必要に迫られたら調べてこなすの繰り返しです。
だんだん慣れるとともに個々の目的や目標次第でどのように仕事を進めるか調整もできるようになりました。
そしてフリーランスで一番のデメリットといえば経営状況によっては収入がないばかりか、マイナスになることもあります。その反面上手くいけば会社員の時とは比較にならないほど収入が増える可能性もあります。
会社の業務で個人が負債を負うことはありません。
つまりリスクがほぼ無い代わりにリターンも小さいということになります。
あとフリーランスになって気づいたことの中でも大切だなと思うことがあります。
それは今まではほとんど会社に管理されていた、しかし「色々やって貰っていた」「守られていた」という事です。
会社員としては至極当然のことなのかも知れませんが、思い返すと同僚や上司、その他たくさんの人に支えられていたということを実感します。
それまで給与明細を見て何となく把握しているだけで、自分がいくら年金や所得税、健康保険を払っているのかとか、雇用保険についても知識がなくても問題ありませんでした。企業負担についてもぼんやりと知っていたものの、それは当然のこだと思っていました。
今は毎年確定申告するので、どのくらいの売上高なのか、経費や税金はどのくらいかもちろん把握しています。
お金の流れを把握するとわずか一円でもその大切さがわかります。
自分の労働価値も明らかになり、顧客からの評価も直接感じられ、ひとつひとつの仕事への気持ちの入り方も変わりました。
「親元を離れて初めて親の有難さがわかる」というのと同じで、会社の有難さがわかったのは離れてからです。
- 全ての業務を把握するので、仕事の目的や意味を理解しながら進められる。
- 保障は少なく、収入は不安定。怪我や疾病には自分で備える。
- 問題が起これば自分で対応し、責任を取る。
- 社会的信用が低い。
- 自分で決められる事が多く自由
- 直接評価を感じやすい
- やりがいを感じやすい。
まとめ
「会社員からフリーランスになって気づいたこと」前半では
会社員とフリーランスの「違い」「特徴」「メリット・デメリット」
について、私の気づきと合わせてまとめてみました。
一度自分で理解しながら仕事を進めると、何も知らずに会社の規則に則っていた事が本当に怖くなります。
そしてフリーランスは自由でやりたいように出来ることも多い反面、ある人にとっては「大変」と感じるかも知れませんし、ある人にとっては「リスクが高くても面白そう」と感じるかも知れません。
やってみないとわからないですし、やってもすぐに諦めてしまったら楽しさを経験せずに終わるかも知れません。
フリーランスの魅力と働くことの面白さがわかった今は、以前の自分には戻りたくないと思っています。
もちろん経験する前は私自身全く夢にも思わなかったことですが、このまとめが興味のある方にとって一歩を踏み出すかどうか判断材料のひとつとなればと思います。
後半は前半を踏まえての考え方の変化や、仕事やプライベートでの行動にどのように影響したかについてまとめたいと思います。