最近は美容・健康系の商品やサービス・情報が溢れていますよね。
スキンケアカウンセラーという仕事柄、常に新しい情報に触れているぱんダリオンでさえ「何が正しいのか」「自分に合ったものはどれか」を判断するのは容易ではありません。
それでもより健康的に・若々しくと求める気持ちはごく自然なものですし、一人でも多くの方がより健康的に若々しく過ごせばいいなと思っています。
そこで前半は「自分に合う美容法を見つけるのは難しい」「誰にでも合う美容法はない」その理由をまとめてみたいと思います。
目次
「自分に合う美容法を見つけるのが難しい」理由は?
「自分に合う」の基準が曖昧だから
自分に合う美容法とはどんなものだと思いますか?
「肌に合う」「使ってみてキレイになったと思える」「価格が手ごろなもの」
良くお客様から聞く答えですが、どれも感覚的でなんとなくわかるようなわからないような感じです。
でもほとんどの方が「よくわからずに探している」というのが実情なんだろうと思っています。
ただカウンセリングするには、上記のような答えだけでは情報が少な過ぎます。
「どんな状態になったら『肌に合う』と感じますか?」
「どういう状態になったら『キレイになった』と感じますか?」
「手頃な化粧水とはいくら位のものですか?」等…
ぱんダリオンならお客様と感覚を共有できるまで質問を重ねます。
自分が新しい美容法を探す時でも美容に対する価値観が曖昧なまま、何となくの感覚だけで探すと、実際に自分に「合う」ものは見つかりにくいです。
ちなみにぱんダリオンはお客様との初めてのカウンセリングに2時間ほど時間をとります。
それくらいの時間をかけて質問を重ね、お客様の求めるものが何なのか探らないと、そのお客様に「合う」かどうか判断できないからです。
自分の事は意外とわからないから
例えば新しい化粧水を使い始めた時は「良いかも!」と思っても、1本使い終わる頃には「それほどでもなかった」と感じることはありませんか?
最初は新しい化粧品への期待とワクワク感もあり、質感や感触が変わっただけでプラス評価に繋がります。
でもその感覚に慣れてしまって、それ以上の変化が出ないと「期待ほどではなかった」とマイナス評価になってしまいます。そしてまた新しい化粧品を探すの繰り返しになります。
たくさん方のお肌をみているぱんダリオンから見ると良い変化が出ていると判断できる場合でも、ご本人は実感していないパターンは多いです。
逆に肌がデリケートな状態になっていても、ご本人は実感していない事も非常に良くあることです。
もちろんぱんダリオン自身もそうですが、自分の事は意外とわかりません。
何事でもそうですが、他人から指摘されて気付くことも多いのではないでしょうか?
「使って良かった」というポジティブな感想を貰えるのは早くても一年後。
「他の人から褒めてもらえた」「昔の写真を見たら全く違っていた」など客観的な視点が入った時です。
「誰にでも合う美容法はない」理由は?
まずそもそもの前提として、何をもって「合う」「合わない」を判断するのでしょうか?
ぱんダリオンがお客様からよく伺う「合わない」と判断する理由は概ねこの4つに分類されます。
- 肌トラブルが出る
- 使い方が面倒、手間がかかる
- 価格が高い
- すぐに良い変化が感じられない
理由はひとつの時もあれば複数の時もあります。
つまり「肌にトラブルが出ず、簡単に使えて、安く、すぐ結果がわかる」ものであれば大多数の方が「合う」と感じるのだと思われます。
でも美容を仕事にする者として言わせていただけるな「そんなに都合の良いものはない」と言わざるを得ません。
それは以下のような理由があるからです。
「新しい化粧品を探すタイミング=肌が良い状態」ではないから
新しい化粧品を探そうと思った時,、肌の状態はベストコンディションでしょうか?
ぱんダリオンがカウンセリングした方で「肌トラブルは全然ないけど、今よりきれいになれる化粧品を探しています。」という理由で来店された方は10年以上遡っても皆無です。
現時点で何らかの肌のトラブルを抱えているからこそ新しい化粧品を探しているのではないでしょうか?
『化粧品を探すタイミング = 肌の状態が良くない時』に新しい化粧品を試せば肌トラブルが出る可能性は高くなります。
ちなみに肌のトラブルを抱えている時の第一選択は「新しい化粧品」ではなく「皮膚科」です。
個人差があるから
スキンケアカウンセラー目線で見ると「同じ肌」はいません。
「乾燥肌」「オイリー肌」「敏感肌」など、肌の分類としてよく見かけますが、これも原因を追究してみると実は「オイリーだと思っていたけど、実は乾燥肌だった」というのは良くあるパターンです。
・生まれつきの肌質、体質
・仕事や家族構成、住環境、経済面などの生活影響
・食事、睡眠、運動、し好品などを含む生活習慣の影響
・性格、癖などの影響
・メンタル面の影響
これらの様々な影響を加味して、肌トラブルの原因を考えてみる必要があります。
カウンセリングをする中で本人すら気づいていなかった原因が見つかることがある事も考えると、誰もが簡単に「自分に合う」か判断するのは難しいという事です。
専門家でも意見が分かれるから
専門家でも意見が別れる。
「これが正解」とは言い切れないからです。
洗顔ひとつをとっても「朝は洗顔をした方が良い」という意見もあれば「朝は洗顔は不要」という美容家もいます。
実際に使ってみる側としても「ある方にとっては朝は洗顔した方が調子がいい」かも知れませんし、他の方にとっては「朝は洗顔しない方が調子がいい」かも知れません。
またそもそもの話として、人間の体については解明されていないことも多いです。
美容でも医療でも「今は正解といわれていることが、将来は間違っていた」と言われることはごく当たり前です。
日々勉強している専門家であっても「最新の情報はどれか」「現時点で正しい情報は何なのか」「合うとはどういう状態なのか」を判断はするのは容易ではありませんし、ましてや自分が今持っている情報が正しいとも言い切れません。
変化するものがあるから
- 季節によって肌にトラブルが出やすい
- 加齢やホルモンバランスで肌が変わってきた
- 育児や介護で、時間やお金をかけられなくなった
- 給料が減って、お金をかけられなくなった
- 就職、進学、引っ越しなどで環境が変わってから、肌荒れするようになった
- マスク生活をしていたら顔のたるみが急激に進んだ
日々過ごしていると季節、生活環境、身体の変化など…状況は常に変化しています。
様々な影響を受ければ、もちろん肌の状態も一定ではありません。
自分では気づかないわずかな変化が少しずつ起こっていて、一か月、一年後には小さな積み重ねが大きな肌トラブルに繋がることもあります。
問題は日常の中のわずかな変化のため自分では気づきにくく、気づいたとしても対処方法を見つけにくいという事です。
結果はすぐにわからないから
化粧品が「合う」かという判断ができるまでにはそれ相応の時間がかかります。
なぜなら化粧品は薬と違って「治す」ものではありません。
あくまで健康な肌を保つためのものなので、薬のように短期間で肌に影響が出ることは絶対にないからです。
「医薬部外品」とは「人体に対する作用が緩和なもので、機械器具等ではないもの」と定義されています。具体的には、吐き気その他の不快感又は口臭若しくは体臭の防止、あせも、ただれ等の防止、脱毛の防止、育毛又は除毛といった目的に対する有効成分が含有されている商品です。
「化粧品」は「人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変え、又は皮膚若しくは毛髪を健やかに保つために、身体に塗擦、散布その他これらに類似する方法で使用されることが目的とされている物で、人体に対する作用が緩和なものをいう」と定義され、全成分の表示が義務付けられています。
引用元: 独立行政法人国民生活センター
これを踏まえると「人体に対する作用が緩和な」化粧品は、すぐに結果が出るものではないのは当たり前です。
また人間の体には恒常性(ホメオスタシス)があるので、変化を元に戻し、一定の状態を保とうと働きます。
そのため体が変化を受け入れるにはある程度の時間がかかるという事になります。
まとめ
「自分に合う美容法を見つけるのは難しい」「誰にでも合う美容法はない」その理由をまとめてみました。
- 「自分に合う美容法を見つけるのが難しい」理由は?
- 「自分に合う」の基準が曖昧だから
- 自分の事は意外とわからないから
- 「誰にでも合う美容法はない」理由は?
- 「新しい化粧品を探すタイミング=肌が良い状態」ではないから
- 個人差があるから
- 専門家でも意見が分かれるから
- 変化するものがあるから
- 結果はすぐにわからないから
ここまでまとめてみて「合う」美容法を見つけるのがなぜ難しいのか、ぱんダリオン自身あらためて確認できました。
健康や美容という元来あいまいなものに対して、「合うものが見つからない理由」もわからずに探すのは五里霧中です。
後半は判断の助けとなるポイント、「合う」を探すためのヒントをまとめたいと思います。