スキンケアカウンセラーとして15年超。
長く仕事をしているとお客様からお肌だけでなくプライベートなお話を伺う事も多くなります。
前半は主にネガティブな話を「きく」ときに大切な事、話す目的別のポイントについてまとめました。
後半はカウンセリングの流れ、注意点についてです。
目次
落ち着くまで「きく」
前半で「きく」ことについて書いているので詳細は省きますが、カウンセリングに入るまではとにかく「聴く」ことです。
基本は話し手の気持ちが落ち着くまで一通りききます。
まだ落ち着かないうちに聞き手が話し始めても、こちらの話しは話し手の頭に入りません。
感情を逆撫でしたり、心を閉ざしてしまう恐れも。
一通り聞いてからがカウンセリングのスタートです。
「カウンセリング」の元々の意味は「相談」、「助言」のことですが、こころの診療においては、医師やカウンセラーが心の悩みを聞き、こころの専門家としての視点から指導や援助を行う治療を意味しています。指導や援助といっても、医師やカウンセラーは具体的な指示をすることもあれば、ただ話をまとめるだけのこともあり、また治療にかかる時間についても様々です。
厚生労働省のHPカウンセリングについてより引用
「相談」「助言」とありますが、ぱんダリオンは「助言」するという事はほとんどありません。
ぱんダリオンのカウンセリングは「聴く」&「質問」が中心です。
質問する
今後「どうしたいのか」をお伺いするために質問をします。
アドバイスや意見を求められている場合でも、こちらから一方的に提案や解決策を話すことはしません。
ご本人が気づき対応をすることで、次に同じような問題に遭遇した時に乗り越えられるようにしたいからです。
ぱんダリオンがカウンセリングで質問することは以下のような内容です。
1.何が一番の問題だと思うか?
2.(問題がわからない場合)負の感情が湧いた時の状況は?その時どのように感じたのか?
3.( 〃 わかっている場合)改善または対応策は思いつくか?
4.(改善策・対応策がある場合)すぐに取り組めそうなことは?
5.( 〃 がない場合)例え話など行動の助けになると思われる内容をいくつかお伝えしてみる。
6.カウンセリングを通して出来そうな事はあるか?
まずはひとつだけ対応策を確認出来ればOKです。
スキンケアのカウンセリングでも一度にお伝えする提案は1つです。
お客様にとって簡単な課題の場合は2~3つ。
一度にたくさんの提案をするとどれも中途半端な結果になりやすいです。
ご本人が問題を受け止めたという事実を確認できたり、解決に向けて一歩踏み出せることが重要です。
ほとんどの場合は気づいていなかったり考えがまとまっていないだけで、ご自身の中に答えはあります。
「聞いてもらったことで」冷静になり考えがまとまれば、ぱんダリオンが深刻そうだなと感じたような内容でも次にお会いしたときにはすでに問題解決している場合もあります。
身体を壊したり、過剰なストレスを抱えている場合は
悩みを話して、最後にはすっきりして帰れるなら問題ありません。
問題なのはストレスが身体に出ていたり、何日も継続して悩み続け憂鬱な気分になっている場合です。
身体を壊してまで我慢することか?
身体を壊したり、過剰なストレスを抱えてまで続ける価値のあることか?
身体を壊してしまった時『会社または相手』は何かしてくれるか?
回復するために休んだり、距離を置くことはできないか?
真面目で優しい人ほど配慮し過ぎたり、他人を優先し過ぎてしまいます。
その結果自分がストレスを溜め、心身の健康を害してしまっては元も子もありません。
身体は資本です!
自分の身体が健康でなければ他の人を気遣っている場合ではありませんし、頑張って配慮したとしてもいい結果にはなりません。
まずは自分の心と体の健康を保つことが自分と接する人たちにとっても有益であると認識する必要があります。
ぱんダリオンの場合は前職で身体を壊したこともあり心身を健康に保つことを優先しています。
心身ともに健康でなければ仕事の質は下がり、いいカウンセリングにならないからです。
また不調な時は身近な人に対して不快な言動をしたり、心配をかけて気を遣わせてします。
他の人を優先し過ぎている事の問題点
自分の不調が周りの人の心配やストレスとなって影響が広がることを認識して貰います。
大切な人達のためにまず自分の心身の健康を優先する必要があることをお伝えします。
その場で結論を出さなくてもいい
大きな問題ほどその場ですぐに解決するものでありません。
話し手が無意識にしている思考や行動に影響される内容なら尚更です。
スキンケアのカウンセリングでも無意識にしている習慣や癖を変えるのはかなりの時間を要します。
年単位は普通で5年、10年かかることもしばしばです。
カウンセリングは何度か回数を重ねることが前提となることが多いので、その場で結論が出なくても大丈夫です。
次回のアポイントが必要なら次に会う時間をその場で確認します。
必要ない場合でも、
次回話すタイミングがあった時に「その後どう?」かを深刻になり過ぎないように聞いてみます。
聞き手が気を付けること
話し手ご本人の考えがまとまらず長時間話し続ければ、聞く方も集中力や精神力が持ちません。
(目安ですが)20~30分以上も一方的に話し続けている時は、一度ブレイクして一人で考える時間を持って貰うことも必要です。
聞き手が相手のペースに巻き込まれしまう場合は、一度冷静になって状況を見極める必要があります。
場合によっては一人で対応するには力不足と判断し(一対一で聴くのではなく)もう一人立ち会ってもらいます。
ぱんダリオンも新人のスキンケアカウンセラーの時はよく先輩に同席して貰いました。
プライベートでも、
苦手な相手から誘われた場合は二人きりにならず、もう一人同席して貰うようにセッティングします。
まとめ
後半はカウンセリングの流れ、注意点についてまとめました。
「きく」というのは難しいもので、カウンセラーという肩書を名乗っているぱんダリオンもプライベートで近い間柄の場合ほど感情が入ったり、つい助言や提案をしてしまうこともあります。
今回「きく」ことについてまとめる事でぱんダリオン自身気づくことがたくさんありました。
ぱんダリオンのスキンケアカウンセラーとしての経験が、どなたかの日常の「きく」場面でお役に立てば嬉しいです。